Staff notes

A little new idea that I noticed while snuggling up to the inconvenience of clothes. Then, the staff of carewill will spell out specific surveys and details of their efforts every day.

#fracture

長年多くの方のウェルビーイングに寄り添ってきた保健師のIさんが、自身の手首の骨折という服の不自由に直面して考えたこと

ケア衣料carewillブランドでは、製品・サービスを創る過程で、服の不自由を感じていらっしゃる方に、着用ヒアリングにご協力いただき、製品開発・改良を行っています。今年の初頭に手首を骨折された保健師のIさんも、この着用ヒアリングにご協力いただいたひとりでした。今回はIさんが着用ヒアリングなどを通してcarewillにどんな印象を持たれたのかを伺ってみます。 KI様・60代女性・新潟県在住・保健師 雪に滑って転倒した際に手首の骨にヒビが入る。その後、例年にない豪雪に見舞われ必要に狭まれ雪かきを行ったところ、症状が悪化し、骨折に進展しギプス期間が予定より延びる。骨折中(ギプス固定)に2回、回復期に1回、着用ヒアリングにご協力いただきました。 保健師はどんな仕事をされるのかを教えてください。 Iさん:皆さんを健康面から、それぞれの年代や置かれた状況の中で、より「WELL-BEING」の状態に近づけるためのサポートを行っています。定年までは自治体の保健師として、出産や子育て、介護などの部署で多くの方と接してきました。現在は企業の保健師として、働き盛りの方を対象に向けに、健康診断後の保健指導を行っています。保健師の仕事は、目の前にいるご本人だけではなく、その方を取り巻く職場内や家族のことも考えながら、ご本人の「WELL-BEING」を考えていきます。 そもそも保健師になった理由は、小学生の頃に父親が脳梗塞で亡くなり、なぜ予防できなかったか?等疑問を持ち、ひとの健康に関わる仕事に興味があったからです。看護学校に入ってみて、保健師という資格・働き方を知り、看護学校卒業後に保健師の学校に進学しました(※当時。現在は看護大学の課程で看護師資格と保健師資格の両方を取得することができる)。卒業後は、医療の少ない地域、僻地の保健師になって、地域の方の病気の予防や健康維持、そしてより健康づくりのウェルビーイングに貢献したいと考えていましたが、諸事情を考え、現在住んでいる地域の中規模自治体の保健師になりました。 carewillに関わる以前に、服の不自由やケア衣料に関わったことはありますか。 Iさん:脳卒中の後遺症をお持ちの方を集めて、社会復帰を目指していく活動に10年近く関わった経験があります。その後遺症をお持ちの方々が病院を退院されてきても、家から出ていくことに対して、最初の一歩が中々出ないことがあります。その背景には、後遺症を抱えていらっしゃることや、それに伴う装いの変化によって、外に出ていくということへの恥ずかしさを感じておられることもあります。何か外にでる目的が見えることも、外へでるきっかけになりますし、服もそのひとつの要因だと感じました。 その方々が外に出るきっかけになった、服の力を感じたエピソードを教えてください。 Iさん:ボタンが止めづらく、服を着るのにかなり時間がかかってしまう方、自分の今の身体の状態で着られる服が限られてしまい、これまで自分が好んで選んでいた服とは違うテイストや着心地の服しか選べないことが心理的に作用し、自分らしくないから出かけたくない、と思ってしまわれる方もいます。マジックテープでとめる服もありますが、病院服のイメージが抜けきれないものや、高価で手に入りにくかったりします。腕や肩に服の不自由があれば、その部分を動かさずに着用できる大きめサイズの服を着ることもありますが、それでは改まった場には行きづらいですよね。また、雪国なので、冬は長靴を履きますが、装具をつけた状態ではこれまで履いていた長靴を履けません。そういった方たちに対して、私自身は多くの方とお話させていただく中で、同じようなお身体の状態の方が、こんな服を着ていましたよ、こんなリメイクをしていましたよ、という情報交換の橋渡しをしていました。例えば、大きめの長靴をバンドでぎゅっと締めて、装具と密着させて歩けるよう工夫をされた方のお話しを、別の同じような症状でお悩みの方に伝えますと、それを参考にしてリメイクされ、雪の季節でも外に出かけられるようになりました。自分が着たい服、服の不自由が軽減されて外に出かけたい、と一歩踏み出していかれる場面でしたね。 片麻痺の方ですと、自由がきくほうの腕だけを使われて、もう片方の腕は、どこかにぶつけたりすることがないようにポケットに入れ体に近いところで固定されている方が多いのです。だから、ジャケットなどを選ぶときに、ポケットが重要だとおっしゃっている方がいらっしゃいました。腕をホールドする部分を内包しているcarewillのサンプルがありましたが、この服がポケット以外の解決法になりそうと感じました。女性は、男性に比べると、年齢層にもよりますが、動かなくても、補助の役割として、その手を使ったり、添えたりすることが多いんです。例えば、お買い物カートを押したりするときに添えたり、家事をするときの動かすほうの手の補助的な役割で使っていらっしゃいますね。着用ヒアリングのときに、三角巾もサンプルに含まれていましたが、あのサンプルを手に取りながら、普段女性の皆さんがお持ちのスカーフやケープの、幅が広いタイプを使えば、腕も固定できますし、暖かくていいなと思いました。三角巾も、おしゃれに、機能的である、他の部分と同化していると、着こなしていけるかなと思いました。 今回の着用ヒアリングに際し、ケア衣料についての説明や、笈沼さんの想いを聞かれてどんなことをお感じになられましたか。 笈沼さんは息子の大学の同級生なんですね。過去に自宅にも遊びにきてくれたし、その後も「笈沼くんは今こんな挑戦をしている」と息子から話を聞き、共感していました。そして、骨折を機にしかできない体験だから協力して欲しいと、息子から頼まれたので、治る前に着用ヒアリングに協力しました。 大きく共感した部分は、お父様の介護の原体験に対してです。私自身も、義母や実母の介護、夫の長期入院の経験があります。当時は、入院期間が決められていたから、病院にいる間は「仕方がない」と思い、服については割り切っていたんですね。その期間は医療優先、手術しやすい、処置しやすいように前びらきであったり、着脱などが医療サイドの方にとって便利なようにしつらえてあるものを着るのは仕方ないと。一方で、手術などの必要がなく、施設などで長期の療養をされている方々にとっては、日常がそこにあります。自分の気持ちが高まる要素は必要だと感じたので、長期入院からその発想が生まれたのだなぁと思ってお話しを聞いていました。 今回ご協力いただいた着用ヒアリングの直前にお怪我をされました。お怪我をされた状況と服の不自由のご経験、その際にどういった工夫や対応をされていたか教えてください。 1月に、雪で滑って体のバランスを崩し、とっさに地面に手をついたので、手首の骨にひびが入りました。そのまま安静にしておけば3週間ほどで状態がよくなるはずだったのですが、雪国なので毎日雪かきをしなければならず、無理をしていたら複雑な状態になって、骨折になってしまって。ギプスは4週間ほどで取れ、自力で作業療法をして、ほぼ元通りに手が動くようになっています。当時は、袖が細めの服は入らず、ずっと着ていなかった服の中から、袖にゆとりのある服などを出して着ていました。中長期的に続くわけではないので、新たにこのための服を買うということはなかったものの、ギプスをつけた状態でも羽織れる上着はほしかったですね。もし症状が長期的なものだったならば、外に出るときや人に会うときには、デザイン性と機能性を兼ね備えた服があれば購入したかもしれません。 実際にcarewillのサンプルを着用して、何かお気づきになられたことはありましたか。 2020年12月のクラウドファンディングで販売していたグレーのモデルを着用したときに、実際に何秒で着られましたか、という確認をされました。そんなことを意識したことはなかったので驚きました。かぶって着た後に肩や首などの位置を整えるときに、一番時間がかかりまして、片手で整えるには目印もなくわかりにくかったし、着ているうちに自分の体の癖などでずれてきてしまうこともあるので、整える目印となるデザインが欲しいという感想を笈沼さんに伝えたのですね。その後、また新たなサンプルが手元に届いたときに、目印になる部分がちゃんと追加されていて、自分の意見が反映されていると感じました。誰もが感覚的につかめる目印が服の中に含まれていれば、私が気になった整容動作はうまくカバーできるだろうな、外に出ても印象のよい装いができるだろうなと感じました。この服を着て外に出かけたい、と思える服が、服の不自由をお持ちの方でも簡単に着られる、着た後もすぐに整えられれば、その方々が前向きに出かけられると思いました。服にも自分らしさは大切ですね。 着用ヒアリングの直後に、サンプルを保健師のお仲間の方々にも見ていただくなど、周囲の方を巻き込んでくださっています。その原動力になっていることは何ですか。 資料を拝見し、お話を聞き、服を着ても思うことですが、carewillは細かいところまで研究されていてとても敬服します。現場の声を多く集めたいという真摯な姿勢に、できるだけ多くの人の意見をお伝えしようと思い、週末に勉強会で会った保健師や、理学療法士や、介護に関わる仲間の方にもサンプルを見てもらいました。私が保健師として、服の不自由をお持ちの方と接していたのは過去の経験のため、もしかしたら情報が古い可能性もあるかもしれない、という問題意識からも、他の現場の方々の意見もお伝えしたほうよいかと思って巻き込みましたね。これからも、できることをお手伝いしたいです。 これからも、皆さんの「ウェルビーイング」に寄り添ってこられた保健師のIさんならではの視点をぜひ服作りにフィードバックいただきたいです。ありがとうございました!carewillの着用ヒアリングに協力くださった方や、参画メンバーへのインタビュー記事はまだまだ続きます。お楽しみに。
長年多くの方のウェルビーイングに寄り添ってきた保健師のIさんが、自身の手首の骨折という服の不自由に直面して考えたこと