Staff notes

A little new idea that I noticed while snuggling up to the inconvenience of clothes. Then, the staff of carewill will spell out specific surveys and details of their efforts every day.

#shizukuishi

ケア衣料carewill パートナーセッション ゲスト 株式会社航和/株式会社Keeper 代表取締役 佐々木航様

carewillでは、メンバーが集まり全体方針の共有や、チーム間連携をはかるための全体MTGを週次で開催しています。2021年5月からはcarewillの活動をご支援いただいている法人の代表などどをゲストにお招きしし、「パートナーセッション」という名称で実施しています。今回のゲストは、carewillの法人パートナー、株式会社航和 代表取締役 佐々木航様です。メンバーからの自己紹介から始まり佐々木さんのセッションへ。この記事は、パートナーセッションの書き起こし記事です。 佐々木様には以前インタビュー取材もさせていただきました。もしまだそちらの記事をお読みいただいていない方は下記からお読みください。 TOKYO STARTUP GATEWAY2019の選考過程で出会い、carewillの法人パートナー第一号に。株式会社航和 代表取締役 佐々木さんのケア衣料への想いとは シームレスな共生社会の実現に向け、法人パートナーとしてcarewillと共創する未来 株式会社航和 代表取締役 佐々木航さんに伺いました 株式会社航和 代表取締役 佐々木航氏 岩手医科大学大学院修了後、株式会社航和創業、社会福祉法人結和会設立、都内にて介護スタートアップ株式会社keeperを設立。岩手県雫石町、盛岡市にて介護施設や介護サービス事業、障がい者の支援事業所を含む15事業所経営。さらに生涯活躍のまち構想(日本版CCRC)を実現するため雫石町、小岩井農牧株式会社、金融機関とともに町づくり会社を創業し経営 株式会社 航和 株式会社 航和のホームページです。岩手で整骨院、接骨院、通所介護、居宅事業などを行っております。www.kouwa.iwate.jp 株式会社Keeper 「介護クラウド」なら株式会社Keeper 介護とテクノロジーでスマートな社会の実現を目指すイノベーションカンパニー。 www.keeper-inc.com ーー佐々木様からご自身や事業についてご紹介いただけますでしょうか。 佐々木さん:岩手県雫石町を拠点に事業を行っています。笈沼さんとの出会いはTOKYO STARTUP GATEWAY(TSG2019)で、偶然会場での席が近く、ワークショップ中に声をかけたのがきっかけです。私が介護系のアプリを都内で開発していて、笈沼さんがケア衣料に取り組むということで、「ヘルスケア同士ですね」と盛り上がりました。その後、色々話をしていくうちに仲良くなって、TSGが終わったあともお互いに連絡を取って意見交換をしてきました。本業は介護施設の運営です。デイサービスや訪問介護事業所、障がい者福祉施設、全部で15事業所ほど運営しています。 今年の春に笈沼さんから法人パートナーシップを結びたいとお話がありました。僕らが取り組んでいない「衣料×ケア」の部分でしたのでとても興味深く、共感したこと、また、笈沼さんの行動力のすごさ―TSG2019の決勝大会前には「話を聞きたい」ということで岩手まできましたからね、まさかくるとは思いませんでしたよ(笑)すごい行動力だな、すごい熱意だな、無下にはできないな―ということで、当社とケアウィルとのパートナーシップについて経営会議に通して肝煎りで進めさせてもらいました。 ケア衣料ブランドcarewill(ケアウィル)®︎「ケア」に関わる法人とのパートナーリングを開始 株式会社ケアウィルのプレスリリース(2021年6月30日 13時00分)ケア衣料ブランドcarewill(ケアウィル)(Rprtimes.jp この会議に通したときに反対意見が多少出るだろうと予想していたのですが、逆にとんとん拍子に進みました。現場のトップが口々に「おもしろい」「これいいね」と言っているのを聞き、carewillのケア衣料はいいアイデアなんだな、と改めて認識しました。会社としてもバックアップして、笈沼さん、そしてcarewillと一緒にやっていきたいと思ったのが今回のプロジェクト参画背景です。 実は自己紹介でお見せしたかったので、弊社のPVを準備してきたのでご覧いただいていいですか?このPVはスタッフと話しながら作りました。スタッフが作りたい、伝えたいような内容になっています。 ーー佐々木さんが法人パートナーとしてcarewillに参画いただいた背景とは 佐々木さん:先日の取材でもお話した部分ではありますが、衣食住のうち、食と住は当社のサービスで皆さんに提供することができます。衣料については手をつけていませんでしたし、これからも当社ではやりません。笈沼さんのビジネスプランを聞いていて興味がありましたし、利用者の方にとってメリットになることですので、パートナーシップのお話があったときもすんなりと受け入れられました。 ーー株式会社Keeperで進めていらっしゃる、介護×テクノロジーのお話も伺いたいです。 佐々木さん:進めているのは介護クラウドという製品です。以前は介護タクシーのサービスを検討していましたが、時代背景的に実現はまだ早い、マネタイズが難しいということがわかってきたので、今は介護クラウドにシフトして準備を進めています。 株式会社Keeper 「介護クラウド」なら株式会社Keeper 介護とテクノロジーでスマートな社会の実現を目指すイノベーションカンパニー。 www.keeper-inc.com 具体的には、介護現場の契約について、利用者の方とそのご家族、現場のスタッフ、皆さんの負担を軽減するサービスです。入所する際の手続きと説明には、ものすごい日数がかかりますし、病院、薬局、介護施設など、一事業所ごとに契約しなければならないため、利用者の方はストレスを感じておられます。その点をどうにかできないかと考えたのがきっかけです。また、利用者の方のご家族にアンケートを取ったところ、契約のやりとりの期間が長いという回答が多く、やはりなんとかする必要があると考えました。あわせて、入居手続きの施設側担当者にもアンケートを取ってみたところ、契約のプロセスがとても煩雑という回答がありました。このシステムを使用しますと、平均で7時間程度削減することができますが、いかがですか?と伝えると、ぜひ導入したいという声が多かったので開発に挑戦しています。 契約のプロセスは、だいたい皆さんが施設への電話問い合わせを実施されます。入居申し込みに際して施設側も事前調査や入居判定会議、入居調整、連絡調整などの色々なプロセスがあります。その部分をなくしたり、簡素化することを目指しています。オンラインでの入居申し込みや、担当者会議のオンラインで実施できるようにしたり、、契約書を一元管理するのがサービスの大きな特徴です。利用者・ご家族の方に、書類をご確認いただくプロセスがありますが、それをオンラインで実施し、クラウドサインのように、チェックが完了したらスタンプを押して保存していただくと、契約手続ができるようになります。マネタイズについては、5000円程度のサブスクリプションサービスで実施予定です。開発現場サイドからは、もっと単価をあげていきましょうという話もありますが、僕は多くの施設に利用していただいて、現場の負担を減らしたいと考えていますので、あまり単価はあげないつもりで考えています。介護市場も伸びているし、リーガルテックも市場が伸びていっていますよね。UIなど、お見せできるタイミングがきたらご披露したいと思っています。 研究開発担当 坪田:私もデュー説して契約をとっていた人間なので、手続きの煩雑さや時間がかかることはよくわかりますし、自分がやらなくなったときの社員教育や研修の大変さもあったので共感します。 佐々木さん:介護施設だけでなく、病院でも、入院の手続きが大変とおっしゃっているのを聞いたことがあります。 坪田:介護ほど、保健所の管轄で色々と指示をされたりすることはないので、入院の手続きのほうが自由度は高いのですが、とはいえ面倒ですよね。治験が入ってくるともっと複雑ですよね。デンタル関係も入られようとされているのですよね!リーガルテックをピンポイントで狙われていてすごいと思いました。エンジェルラウンドで僕自身がKeeperさんに投資したいくらい興味があります。 ーー法人パートナーとして実際にパートナーリングを進めていただいてみて、いかがでしょうか。 佐々木さん:実際に動かしているのは施設長の櫻田です。対象者を選定する際の条件が厳しめだったということは聞いています。何名かヒアリングを進行しているとは聞いていますが、まだフィードバックはもらっていないですね。 carewill代表 笈沼:当初、上半身の服の不自由を解消する製品のヒアリングにご協力いただいていました。ただ、この製品は、着用対象の傷病は限られています。その意味では、対象者選定の条件が狭く感じられたのかもしれません。 そこで、方針を変更し、現在は、別のタイプのケア衣料ヒアリングにご協力をいただいています。こちらの着用対象には広がりがありますし、carewillが現在進めている研究調査にも近いです。改めて対象者を選定いただき、櫻田様のお手元にサンプルを届け、既に数名ヒアリングのスケジューリングをいただいています。本当に助かっています。また、櫻田さんのご家族にもご関心をお持ちいただいています。 佐々木さん:櫻田から、お姉さんがまさにこういった服を探していたので、施設利用者者ではないけれどもいいですか?という相談が私のところにもありました。きっと笈沼さん喜ぶと思うよ、ということで背中を押しました。 すごいご縁ですよね。僕がもしこのパートナーリングの担当を違う人にしていたら、このご縁はつながらなかったわけです。実は、当初4人候補者がいまして、その中で最初に打診したのが櫻田です。彼は声をかけてすぐにOKだったので、このパートナーリングの担当になりました。 carewillメンバー一同:そうだったんですか!すごいご縁ですね。佐々木さんを中心につながるご縁、笈沼の周りでつながっていくご縁、いろいろありますね。 ーー今後のcarewillに期待するところをお聞かせください。 佐々木さん:当社にできない「衣料」の部分を担っていっていただきたいですね。実は当社の施設は一般的な介護施設とは異なります。介護っぽくない、施設っぽくないんです。 利用者の方の尊厳を意識しています。認知症だからおしゃれは必要ないわけではないですし、施設に入っていてもおしゃれを楽しみたい方はいっぱいいらっしゃいます。carewiiにはその、おしゃれを楽しみたいという気持ちに寄り添いながら、機能を兼ね備えた服づくりを期待しています。衣料はセンスがいい人しか作れないですからね。 笈沼:入院されている方や、ご自宅と病院や施設を行き来されていらっしゃる方は新しい服に触れる機会がないというお話を聞いたことがあります。以前に岩手を訪問した際、佐々木さんが紹介下さった病院で話を伺った際、売店の片隅の洋品コーナーで月に20着ほどは売れるという話を聞いて、服を選ぶ機会の少なさ、服の選択肢の少なさを感じたところです。 ーー佐々木さんが仲間や利用者の方に対して大切にされていらっしゃることや思いを聞かせてください。 佐々木さん:当社は「シームレスな共生社会へ」というビジョンを掲げています。シームレスは、隔たりがないということです。以前からずっと、介護、障がいのある方、子ども、地域住民の方々が隔たりなく交わることのできる社会を目指しています。その中で当社の事業は、障がい者の方、介護やリハビリが必要な方、地域住民の方との交わり方を考えて事業をやっています。子どもの部分は後輩が施設の隣で学童をやってくれているのでそこは任せています。 一番は利用者の方にとってのサービスですが、介護、医療もそうですが、職員がいてこそのサービスです。利用者の方、職員・スタッフはどちらも欠かせない存在ですのでとても大切に考えており、働きやすい環境を重要視しています。 実を言うと、お恥ずかしいお話ですが、2016年の離職率が28%まで上がりました。全産業の平均が15%、介護もそれくらいなので、飛び抜けて高いですよね。当時、事業展開も進めていたので、色々やめていく方も多かったのですが、なぜやめていくのかな、介護はすごく大変だからなのだろうな、と想像していました。 さすがに離職率28%になると施設の運営にも関わってきますので、残ってくれている職員の方々に何が大変なのか、話を聞いてみました。すると、ある介護士の方から伝えられたのが、介護は大変ではない、事務作業が大変だということでした。 お恥ずかしながら、僕は、3Kといわれるように、介護が大変なのだと思っていましたら全然違っていたんですね。ケアする側は、志を持っているのでそこは大変じゃないと。その後の事務作業がめちゃくちゃ大変なんですと言われて、これなら僕がなんとかできるかもしれないと思いました。 そこから、介護現場の紙ベースでの情報共有をテクノロジーで一元管理する、情報共有をするためにシステムを全部入れ替えることをやりました。期間は3年ほどかかりました。テクノロジーを導入した結果、離職率がどんどん下がりまして、2020年は8%にまで下がり、現在は10%ほどですね。介護士の業務改善をすることを、経営者である僕がやらないといけないんだな、介護現場の方々の負担を減らし、より、介護に集中してもらえる環境を整えることに注力しています。そのためにも、都内で介護アプリを作っているんですね。 ーー多くの事業をされていて、岩手と東京をまたにかけて事業をされていらっしゃる。そのバイタリティの源は何ですか。 佐々木さん:当社のビジョンのお話は先ほどしました。株式会社Keeperでも介護で困っているひとたちを幸せにしたいと言っています。そういったことの根底にあるものは5年前に他界した母の言葉ですね。彼女は「困っているひとを、助けなさい」とずっと言っていました。そこがずっと残っていると思います。 事業展開していますね、といろんな方に言われるのですが、求められれば作ります、という姿勢です。最初が接骨院、そこからデイサービス作ってほしいと言われて作り運営しているうちに泊まるところが欲しいと言われ、有料老人ホームを作りました。するとその有料老人ホームが満床になり、もっと入りたい方がいらっしゃるからどうにかしてほしいと言われまして、どんどん事業拡大していったんです。ですので、自分で狙ってやっているつもりはなかったですね。最近は狙って作ろうとしている部分もありますけどね。 ーー現場の業務改善について、システムを入れたり、シームレスにつないだり、業務改善を行おうとすると一定の抵抗勢力が存在するかと。御社ではどう対応されていましたか。 佐々木さん:現在、施設の記録は、現場にあるiPadを職員さんたちが使って入力・管理しています。下は20代前半から上は70代まで職員・スタッフがいるんですね。70代の方はiPadを今使ってくれていますが、年配の皆様からは、当初猛烈な反対がありました。 もう手書き・紙ではやらない、iPadしか記録はやらない、と決めたので、使ってくれるようになりましたが、3年間はかかりました。とにかく触っていただく環境をつくることですね。少しずつ変えていくしかないですよね。誰かが旗振り役にならないと進みませんので。 ーーcarewillに対して佐々木さんからみた、リスクや乗り越えないといけないハードルを教えてください。 佐々木さん:僕も株式会社Keeperを2019年に立ち上げてスタートアップでやっている中でいろんな谷は迎えました。きっと笈沼さんや皆さんもご経験もあるかと思いますが、仲間ともめること、抜ける人が出てくるところ、資金面など色々でてきますよね。そのあたりはチームで乗り越えていってほしいなと思います。 僕たちもこれから訪れるであろう苦労が今後もあるでしょうから、ぜひ引き続きお話させていただきながら頑張りたいです。プロダクトでいうと、今この段階でいうことは酷かもしれないですが、対象者を絞るのは最初だから仕方ないことではありますが、将来的にはもう少し幅広い対象者向けのプロダクトがあるといいな、というのが僕の希望です。 ーー佐々木さんのビジネスは、対局にある2つを使っていると思います。テクノロジーで効率性を追求する部分と、地域・人間同士のつながりでの付加価値ですね。ここの共存についてどう意識されていらっしゃいますか。 佐々木さん:10年後、20年後は確実に働く人が少なくなるので介護施設にもテクノロジーの力が必要になります。そこを狙っています。テクノロジーと人の共存、人と人との関わりの部分は人でないといけないけれども、雑務は全部テクノロジーでいいと思います。確実に介護・医療の世界で出てくるので、自分たちで作り上げていきたいですね。現在の50−60代の方が高齢者になる頃に変わってくると思いますので、あと20年後くらいですね。 佐々木さんがテクノロジーを介護現場にどんどん入れていかれることで、介護の現場や利用者の方の現在・未来がどんどん変わっていくことを想像するとわくわくします。引き続き、法人パートナーとしてcarewillとの協働をよろしくお願いします。また笈沼が岩手に突撃することもあるかもしれませんね。そのときもぜひ、よろしくお願いします。
ケア衣料carewill パートナーセッション ゲスト 株式会社航和/株式会社Keeper 代表取締役 佐々木航様

シームレスな共生社会の実現に向け、法人パートナーとしてcarewillと共創する未来 株式会社航和 代表取締役 佐々木航さんに伺いました

岩手県雫石町に本社を持つ航和グループは、株式会社航和(接骨院1拠点、介護施設11拠点)と社会福祉法人結和会(就労支援、共同生活援助施設3拠点)により構成されています。「介護×テクノロジー」にも積極的に取り組んでおり、2019年には介護クラウド等を展開する株式会社keeperを設立。2020年にはクラウドファンディングにも成功されました。  株式会社航和は、carewillの法人パートナー第一号であり、ケア衣料のものづくりに不可欠な研究・調査や、開発ヒアリングに協力いただいています。 今回は、代表取締役の佐々木さんにお話しを伺いました。この記事は、後編です。(前編はこちら) 株式会社航和 代表取締役 佐々木航氏 岩手医科大学大学院修了後、株式会社航和創業、社会福祉法人結和会設立、都内にて介護スタートアップ株式会社keeperを設立。岩手県雫石町、盛岡市にて介護施設や介護サービス事業、障がい者の支援事業所を含む15事業所経営。さらに生涯活躍のまち構想(日本版CCRC)を実現するため雫石町、小岩井農牧株式会社、金融機関とともに町づくり会社を創業し経営 株式会社航和ウェブサイト 株式会社 航和 株式会社 航和のホームページです。岩手で整骨院、接骨院、通所介護、居宅事業などを行っております。www.kouwa.iwate.jp 株式会社keeperウェブサイト 株式会社Keeper 「介護クラウド」なら株式会社Keeper 介護とテクノロジーでスマートな社会の実現を目指すイノベーションカンパニー。 www.keeper-inc.com 地元・岩手県雫石町と、東京の二拠点でのビジネス ー後半では、佐々木さんご自身のお話しを中心に伺っていきたいと思います。以前は東京のみに拠点をお持ちでいらっしゃいました。地元・岩手に戻られて、岩手と東京の二拠点で複数の事業を展開されている現在と当時では、どのような違いがありますか。  大きな違いは、働き方の自由度ですね。以前は東京の病院に勤務していました。組織に属して勤めていた頃は、時間の制約がありました。自分で事業をやると、働き方や時間の使い方・管理を自分で設計できるようになり、働きやすくなりました。そして「介護×テクノロジー」の取り組みを中心に、大企業の方が当社の取組みに関心を持ってくださり、一緒に仕事をさせていただくことが増えてきています。介護スマートルームは日本で初めて介護の居室をIoT化した施設で関心を持っていただいていることが多いですし、政府系機関の方も視察や意見交換にこられることもあるようです。巡り巡って色々なことがつながっていますね。  また、僕は雫石の自然が大好きなので、自然に囲まれて暮らせる、仕事ができるのはいいですね。雫石って、町のスローガンが「虹が似合う町」なんです。まちづくりにも関わったりしています。  ー素晴らしいですね。自分で働き方や時間の使い方を設計できる、っていいですね。地元発で、街をよくしたい、ひとのために、と行動される方がいて、その周りにどんどん仲間が増えてくると、行政の力を使わなくても地方が元気になったり、もっとよくなると思うので、佐々木さんのような人、雫石のような町が日本中に増えていけばいいと思います。 シームレスな共生社会の実現に向けた、アイデアを事業にしていく強い想い ーコロナ禍で地元に帰省できない、高齢の家族になかなか会えないという方のお話しを最近多くお聞きします。介護スマートルームをはじめとする、御社のテクノロジーを活用した取り組みには可能性を感じますし、佐々木さんの会社の施設を利用されている方とご家族の方がうらやましいです。そんなビジネスアイデアはどこから浮かんでこられるのですか。現場の方の発案からなのでしょうか。  普段の業務や、生活の中から思いつくことが多いですね。介護スマートルームのアイデアは、Alexaユーザーの僕が思いつきました。新型コロナウイルスが拡大する以前は僕も出張が多かったので、子どもとオンライン通話で話すことが多かったんです。もっと顔をみたい、直接話したいと、リアルタイムで子どもや家族と話をしている中で、思いつきました。そういえば、これ、うちの施設で使えるな、って。 ーアイデアを思いついたり、ここが不便だな、これは使えるかも、と気づく方は結構いらっしゃると思います。しかし、そこから実現に向けて自分がやってみようと決意し、実際に自走される方はぐんと減ります。だから、ぱっとひらめいて、実際に形にしていってしまう佐々木さんの推進力はすごいと思います。  笈沼さんもすごいですよね。お父さんの介護の経験、お母さんとの服作りから、想いを形にし、必要な方の声をどんどん吸い上げて製品・サービス化につなげていっているので。 ーそうですね、佐々木さんも笈沼さんも、どちらにも共通することですが、原体験と決意のある方は推進力が強いですね。介護スマートルーム、現場の声を聞いて事務作業の効率化にITツールを導入した、など、御社や佐々木さんの取り組みや行動の背景には、現場としっかり向き合っていらっしゃる、利用者の方をとても大切にされていらっしゃる姿勢があるように思いました。「利用者が第一、従業員が第二、家族がその次」と、別の記事で佐々木さんがおっしゃっていましたね。その思いに通じる過去の原体験が何かおありなのでしょうか。  家族には何を言っているんだと言われそうですが・・はい、利用者の方も従業員も大切に思っています。現場のスタッフから、「介護が大変じゃない、事務作業が大変です」という話を聞いて、さまざまなITツールやテクノロジーを現場に導入し、事務作業の電子化を進めました。前半の記事でもお話した、月1回開催の経営会議は、拠点が複数ありその距離が離れているので、新型コロナウイルス感染症が拡大する以前から、オンライン会議で実施しています。最近では「介護スマートルーム」が利用者の方に好評いただいていますし、介護現場でのICT化の実現により「クラウド実践大賞」にも選ばれました。  原体験は、過去の母の仕事をみていた頃の記憶ですね。母がケアマネージャーとして、障がい者施設で仕事をしていました。僕は小さい頃は母親からなかなか離れられず、母の職場に連れていかれて一緒に遊んでいました。発達障害などを抱えている、自分と同じ年頃の子どもたちをみて、なぜこの子たちは学校にいっていないのかな、なぜ自分の親や家族と一緒に暮らせないのかなと疑問だったのですね。今なら理由はわかるのですが、当時はそれがずっと気になって、その思いが僕の中に残っていました。  当社、そして、現在都内でやっている、介護アプリの会社(株式会社Keeper)も掲げているビジョンは「介護で困っている人たちを幸せに」、㈱航和では「シームレスな共生社会の実現」です。これまで高齢者向けの事業と、障がい者向け事業を推進してきました。次は子どもの事業をやりたいと考えまして、これは知り合いがやっている学童にアウトソースしながら進めていきます。障がい者福祉も、高齢者についても、子どもたちも、みんな、地域のひとたちが交わって生活しないと、孤立しては生きられないんでよね。隔たりなく、いろんな人が交わって生活していくところを創りたいという思いがあります。その根幹の部分は、母親に連れられて行った、幼少期の母の職場での原体験があります。  なぜ、社会福祉法人や福祉事業を複数立ち上げて事業をしているのかというと、母親が生前ずっと言っていた、「困っている人たちを助けなさい」という言葉が背景にあります。介護、障がい者、子どもたちは、ビジネスとしてではなくて、何かしら手をさしのべる、一緒に暮らしながらやっていきたいと思っています。 ー今はダイバーシティ、共生などを国をあげて取り組んでいますが、佐々木さんは幼少期からずっとそこに課題意識をもって取り組んでこられたのがすごいと思いました。笈沼さんも、お父さんを通じて共生や、境界のにじみをなくすことに取り組みたいと考えています。高齢者向けの介護施設、社会福祉法人、そして介護×テクノロジーと、複数の事業を同時に動かし、関わる人も多い中で、佐々木さんが大切にされていることや、チームで仕事をする中で、うまくいく秘訣って何かありますでしょうか。  自分自身はそんなに何でもできる人間ではないので、権限を委譲してやっていいただくことが多いです。社会福祉法人については、創業して数年は僕が理事長を勤めていましたが、ある程度回ることになったので他の方にお任せして、権限委譲しています。経営者として、決裁などには関わりますが、ある程度は現場で回せるようになっています。都内の会社も、MTGはもちろん実施していますが、ある程度皆さんの声を尊重してやっています。自分自身でやるよりは、仲間を信頼して任せるということですね。 ー任せるってすごいなと思いました。佐々木さんのお話しを聞いて、素晴らしい組織だと感銘を受けた一方で、信頼できる仲間を探すのって難しいのではと思ったのですが、どうやって仲間を探していらっしゃるのですか。  まず仲間を見つけるのは、おそらくcarewillさんも同じかなと思うのですが、ビジョンに共感して、一緒にやりたいと思うひとを仲間にすることですね。共感して入ってくるひとを仲間にする。トップがやることは全てのことに最後に責任を取ること。あとは仲間を信じて任せていきますね。 ー確かに、carewillとのパートナーリングも、現場のトップの方、施設長の方に任せていらっしゃいますね。そしてそのトップの方がとても迅速に、そして丁寧に取り組んでくださり本当に助かっています。今はご協力いただくことが多いですが、これからcarewillが御社にとって何か役にたてることはどんなことか、佐々木さんからご覧になられて、carewillに期待していることだったり、一緒にこんな未来を作れる、という話を教えてください。  僕が目指しているのは「シームレスな共生社会」です。介護や福祉で困っているひとたちを幸せにしたいという強い思いがあります。当社は、衣食住の中の「住」、「食」のサービスは提供できます。今後、介護、障害をもった方々の住む場所や、ケアを受けられる場所が限られてくる中で、我々が提供できる価値なのです。ただし、「衣」の部分は、当社は取り組まない分野です。だから、「衣」は、carewillがデザイン性が高く、機能性の高い、ユーザーの方の自尊心を守る商品を多く出してくれることを期待しています。carewillが世の中に多くのケア衣料を生み出していくことは、より多くの方の服の不自由を減らします。そして、carewillを身につけた方々の心が前向きになり、「喜び」や「生きがい」が増えていきますし、施設で仕事をするスタッフの負担を減らすことにも効果が期待できます。利用者の方にも、現場のスタッフにもメリットを感じていただける取り組みなので、当社はこれからも色々と協力したいと思っています。そして、社会情勢が落ち着いたら、ぜひ、雫石町に皆さんいらしてください。 ーぜひcarewill社員旅行も雫石へ。個人的にも雫石町にお伺いさせていただきたいです。今後とも法人パートナーとしてどうぞよろしくお願いいたします。
シームレスな共生社会の実現に向け、法人パートナーとしてcarewillと共創する未来 株式会社航和 代表取締役 佐々木航さんに伺いました

TOKYO STARTUP GATEWAY2019の選考過程で出会い、carewillの法人パートナー第一号に。株式会社航和 代表取締役 佐々木さんのケア衣料への想いとは

 岩手県雫石町に本社を持つ航和グループは、株式会社航和(接骨院1拠点、介護施設11拠点)と社会福祉法人結和会(就労支援、共同生活援助施設3拠点)により構成されています。「介護×テクノロジー」にも積極的に取り組んでおり、2019年には介護クラウド等を展開する株式会社keeperを設立。2020年にはクラウドファンディングにも成功されました。  株式会社航和は、carewillの法人パートナー第一号であり、ケア衣料のものづくりに不可欠な研究・調査や、開発ヒアリングに協力いただいています。 今回は、代表取締役の佐々木さんにお話しを伺いました。この記事は、前編です。 株式会社航和 代表取締役 佐々木航氏 岩手医科大学大学院修了後、株式会社航和創業、社会福祉法人結和会設立、都内にて介護スタートアップ株式会社keeperを設立。岩手県雫石町、盛岡市にて介護施設や介護サービス事業、障がい者の支援事業所を含む15事業所経営。さらに生涯活躍のまち構想(日本版CCRC)を実現するため雫石町、小岩井農牧株式会社、金融機関とともに町づくり会社を創業し経営 株式会社航和ウェブサイト https://www.kouwa.iwate.jp 株式会社keeperウェブサイト https://www.keeper-inc.com TOKYO STARTUP GATEWAY2019の会場で出会い、意気投合して法人パートナーへ ー以前より笈沼さんが御社の介護施設などを視察させていただいたり、継続的に意見交換をされていましたが、そもそも笈沼さんと出会ったきっかけは何だったのでしょうか。  2019年のTOKYO STARTUP GATEWAY(TSG2019)の会場で出会いました。たまたま席が近くて、笈沼さんから話しかけられて。話してみたら同じヘルスケアの分野で、という不思議なご縁からずっとつながっています。まさかこんな形でつながって法人パートナーという形で協働できるとは、という驚きです。 ーすごい偶然、すごいご縁ですね。TSG2019の会場で、笈沼さんから現在のcarewillにいたるアイデアを聞かれたとき、佐々木さんはどんな感想を持たれましたか。  「おもしろいな」と思いました。僕はずっと医療福祉系で仕事をしているのですが、衣料にスポットをあてて取り組むことは考えなかったから。施設の利用者の方などに対し、「衣食住」の「食」と「住」についてはサービスを提供しますが、「衣」にスポットをあてることは、プライオリティは低かったですし、取り組んでこなかった。プライオリティが高いのは患者の方、利用者の方の「命」ですので、衣服についてはご自身がお持ちのものや、既存のもので対応してきたのが歴史的な流れでした。その、衣料の部分に課題意識を感じ、自分が取り組みたい、取り組む使命があるのだ、という笈沼さんの話を聞いて、「おもしろいな」と感じました。 ーなるほど。実は別の医療・介護関係者の方も、ずっと現場で働いているがゆえに「衣」には目を向けたこと、取り組もうと考えたことはなかったとおっしゃっていました。一方で、施設や接骨院にお越しの方々をこれまでご覧になられていて、服の不自由に気づかれたことってありましたでしょうか。  そう言われてみれば、確かに服の不自由を感じている方はいらっしゃいました。肩を怪我された方、脱臼された方、あとは鎖骨を骨折された方など、現在は少ないですが、昔はいらっしゃったんですよね。そういった、肩や腕周りに怪我をされている方々の服の着脱は大変そうだな、面倒くさそうだなというのは感じていました。ただ、そこに対して僕自身が、あるいは当社が取り組むことは全く考えていなかったので、笈沼さんさすがだな、と思いました。おそらく笈沼さんご自身の原体験があるからなんですよね。経験された方、ご家族じゃないとわからない、従事者や経営者はそれをみて「やろう」とは考えないですから。 ー例えば鎖骨を骨折したり、脱臼されている方は、施設にどんな服を着てこられるのでしょうか。  前開きの服、ジャージのようなものを着用されている方が多いですね。患側を無理なく通せる、健側を通すときにも患側に負担がかからないもの、ですね。 ーつまり、その患者さんご自身が、着やすいもの、着脱しやすいものを選んで着ていらっしゃるという状況ですよね。  そうですね。お手持ちのものを着ていらっしゃる。ケア衣料のような、機能を備えた服ではなかったです。また、当時は今のようにおしゃれなサポーター(三角巾)は存在しなかったので、白い三角巾を衣類で隠してこられる方が多かったですね。服を上からかぶって、または羽織って、隠したほうが楽だったのだと思います。 ーここまで、施設や整骨院の利用者の方や患者さんの服の不自由についてお話しを伺いました。佐々木さんご自身は服の不自由を感じたご経験はおありでしょうか。サッカーをされていらっしゃいますが、そのご経験や普段の暮らしの中で何かありましたでしょうか。  ありますよ。僕は社会人になってから肩鎖関節脱臼しました。岩手はスキー場が近いですから、スノーボードをやっていて、ジャンプをしたら転倒してしまい、当時はとても大変でした。Tシャツを着るにしても、手は上がらないし、患側から着て、健側側を伸ばして服を着ていました。リハビリでも、患側から着て、健側側をあとから着ると習いますが、実際自分がそうなると本当に面倒ですよね。肩鎖関節脱臼のほうは治りましたが、やはり両腕を比べてみると、患側だったほうの可動域は今でも違います。  それから、高校生のときにサッカーで半月板と靭帯を損傷して、大きい手術をしました。今はだいぶ慣れたものの、調子が悪いときはズボンを履くときや、膝を曲げるときに、膝に痛みを感じるので、履きやすいズボン、着脱行為で痛みを感じにくいズボンがあればいいなぁと思います。手術をした当初は手持ちの服を無理矢理着用していたので、怪我のために新たに買った服やリメイクなどはありませんでした。 経営陣が全会一致で、ケア衣料のものづくりへの協力に賛同 ーなるほど、ご自身も服の不自由を感じるご経験があり、また、日頃仕事の中で服の不自由をお持ちの方にも接してこられたからこそ、笈沼さんのアイデアを「おもしろい」と感じてくださったことがよくわかりました。先日、carewillの法人パートナー第一号になっていただき、早速研究調査やヒアリングへのご協力など、本当に助かっています。今日(取材日)の午後にも、施設管理者の方に対して、笈沼さんがヒアリングをさせていただく予定です。パートナーリング決定までの過程で、とても印象的だったのが佐々木さんからの「社内説明し、全員が賛成した」という連絡をいただくまでの時間がものすごく短かったこと、そして「現場担当からポジティブな意見も多数出た」と伺ったことです。  返事が早かったのは、月1回実施している経営会議が、笈沼さんからパートナーリングの話を提案されたすぐ後に実施予定だったからというのが一番の要因です。この経営会議には施設長など現場のトップ7名が参加しており、全員の考えをひとりひとり聞きながら、方針を決定する場としています。当社はこれまでにも、法人との実証実験をいくつかやってきていますが、IT機器の取り組みが多く、衣料に関わる実証実験はあまりなかったんですね。一方で、現場の管理者の方々の中には普段の仕事の中で、ケア衣料に関する気づきや思いが何かしらあったのではないかと。「おもしろい」、「おしゃれで機能的な服っていいね」、「特に女性は装うことから喜びや、希望を感じられるんじゃないか」、「機能的な服は職員の介助が楽になる」という意見も出ました。総じて、「利用者の方々に喜んでもらえるならばぜひ法人パートナーとしてcarewillに協力したい」、という意見でした。 ー月次で現場のトップの方と会議の場を持たれていらっしゃる。拠点が多く、またそれぞれの距離が離れていますが、経営会議は本社に集まって開催していらっしゃるのですか。  いえ、当社は新型コロナウイルス感染症が拡大し、企業にリモートワークやオンライン会議が浸透する以前から、オンラインで会議を行っていました。理由は、それぞれの拠点が離れていて、移動の時間をなくし、業務負担を減らしたかったからです。介護×テクノロジーで現場の負担を減らすことにも取り組んでいます。ですので、もともとZoomは使っていたんですね。医療福祉業界はIT化・効率化の取り組みが一番遅いほうですが、当社は慣れ親しんでいる世代ということもあり、仕組みづくりも、組織への浸透も早かったですね。 ーだから、施設長の方にヒアリングをさせていただく際にも、オンライン会議に慣れていらっしゃる様子だったのかと、今わかりました。早速、研究・調査のサーベイへのご協力や、カスタムオーダーサービスの服づくりについての意見交換など、法人パートナーとしてご協力をいただいています。パートナーリング以降、社内に何か変化はありましたでしょうか。  まだ始まったばかりなので、今のところは大きな変化はありません。ヒアリング対象者の抽出や、候補者の方への声かけの部分で、現場の手間はあったと聞いています。その点については代表である僕が了解した上で法人パートナーになりましたし、現場のトップも、「法人パートナーとして協力する、と経営会議で決めたからにはやろう、利用者の方のためになる服作りに協力しよう」という思いで動いています。最初はどの組織でもそうですから、お互いにフィードバック、ブラッシュアップしながら実施していけたらと思います。 ーありがとうございます。今後もなるべくお手間をかけないようcarewill側も留意していきます。(後編に続く)
TOKYO STARTUP GATEWAY2019の選考過程で出会い、carewillの法人パートナー第一号に。株式会社航和 代表取締役 佐々木さんのケア衣料への想いとは